デジタル時代だからこそ大切にしたい、読書と人とのふれあい

スマートフォンやタブレットが普及し、子どもたちを取り巻く学習環境は大きく変化しました。今では、わからないことがあればすぐに検索でき、映像授業を使えば、いつでも好きなときに勉強することができます。
こうした技術の進歩は、教育に多くの恩恵をもたらしました。しかし、その一方で、私たちは教育の原点ともいえる大切なものを見失いつつあるのではないでしょうか。
それは、活字を通じて自分の頭で考えること、そして人と人とのふれあいの中で学ぶことです。
子ども時代の読書が、将来の学力を支える
私は、子ども時代にできるだけ多くの本を読んでほしいと考えています。
読書は単に知識や語彙を増やすだけのものではありません。文章を読み、そこに書かれた情景を思い浮かべ、登場人物の気持ちを想像し、筆者の言いたいことを考える。こうした過程を通じて、子どもたちの想像力や思考力は育まれていきます。
また、文章の前後関係を捉え、物事の原因や結果を考えながら読み進めることは、論理的な思考力を養うことにもつながります。
映像であれば、風景も人物の表情も目の前に示されます。しかし、本を読む場合には、文字から自分の頭の中に世界を作り上げなければなりません。
この違いは、決して小さなものではありません。
また、読書によって培われる読解力は、国語だけでなく、算数や数学、理科、社会、さらには英語の学習にも深く関わっています。
文章を正確に読み取り、自分の頭で考える力は、あらゆる教科学習の土台となるのです。
だからこそ、幼い頃から本に親しみ、活字に触れる習慣を身につけてほしいと思います。
映像を見ることと、理解することは違う
近年はタブレットを利用した学習や映像授業が急速に普及しています。わかりやすい解説を繰り返し視聴できることは、大きな利点でしょう。
しかし、映像を見て「わかった」と感じることと、自分自身で考え、問題を解けるようになることは、必ずしも同じではありません。
わかりやすい説明を聞いて、その場では理解したつもりになっても、いざ一人で問題に取り組むと手が止まってしまう。こうした経験は、多くの子どもたちにあるはずです。
私たちが重視しているのは、教わった内容を理解するだけでなく、それを自分の力で使えるようになることです。
そのためには、講師が生徒の表情や手元を見ながら、どこでつまずいているのか、何を誤解しているのかを見極め、その場で問いかけたり、説明の仕方を変えたりすることが重要です。
ときには答えをすぐに教えず、生徒が自分で考える時間を設けることも必要でしょう。
こうした柔軟な対応は、目の前にいる生徒と直接向き合う授業だからこそできるものです。
もちろん、デジタル教材には優れた点があり、私たちもその活用を否定するものではありません。しかし、教育の中心にあるべきなのは、あくまでも生徒自身が考え、理解を深めていく過程だと考えています。
個別指導にも、さまざまな形があります
一口に「個別指導」といっても、その指導形態はさまざまです。
一人の講師が二人、あるいは三人の生徒を同時に担当する形式も、一般的には個別指導と呼ばれています。
しかし、マンツーマンシステムでは、講師一人が生徒一人に向き合い、個々に区切られたブースで授業を行うことを大切にしています。
これは、単に一人ひとりの学力や進度に合わせて指導するためだけではありません。私たちは、講師と生徒が安心して話のできる環境そのものに、大きな教育的価値があると考えているからです。
隣に別の生徒がいれば、勉強以外の個人的な悩みを打ち明けることは、なかなか難しいものです。講師と生徒が一対一で向き合える独立したブースだからこそ、自然な会話が生まれ、信頼関係も育まれていくのだと思います。
例えば、授業の合間に学校生活の悩みを相談したり、進路について話し合ったりすることがあります。
また、講師が自分の受験時代の失敗談や、大学で学んでいること、将来の夢について語ることもあります。
こうした会話は、一見すると勉強とは直接関係のない雑談に思えるかもしれません。
しかし、私たちは、その何気ない会話こそが、子どもたちの成長にとって大切な時間になることがあると考えています。
私たちの目指すもの
時代とともに教材や学習方法は変化し、これからはAIを活用した教育もますます広がっていくでしょう。
それでも、教育の根本にあるものは変わらないと思っています。
本を読むことで、自分の頭で考える力を育てる。そして、人との対話を通じて、自分とは異なる考え方や経験に触れ、視野を広げていく。
この二つは、子どもたちが成長していくうえで、どちらも欠かせないものだと思います。
私たちは、単に問題の解き方を教えるだけでなく、子どもたちが自ら考え、人との関わりの中で成長していけるような塾でありたいと考えています。



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