AI時代に個別指導は必要でしょうか?
- yoichi tanaka
- 4月23日
- 読了時間: 3分

近年、AIの進化により「個別指導は不要になるのではないか」という声を耳にするようになりました。確かに、AIは生徒の疑問に即座に答え、英作文の添削や要約のチェックまで高い精度で行ってくれます。
現時点では数学の精度に課題が見られることもありますが、これも時間の問題で改善されていくでしょう。そうなれば、「わざわざ人に教わる必要があるのか」という疑問が出てくるのも自然な流れです。
しかし、実際に授業でAIを活用している立場から言うと、結論はむしろ逆です。AIがあるからこそ、個別指導の価値はより明確になると感じています。
AIを使った実際の指導
私の授業では、英作文や要約の指導にAIを積極的に取り入れています。ただし、いきなりAIの答えを見せることはしません。
まずは私が、答案について以下の点を整理して伝えます。
答案全体の感想
構成の良し悪し
文法上のミス
不自然な表現
その際、「この表現はAIにも指摘されそうだよ」といった形で、あらかじめ視点を共有しておきます。
その後にAIの添削結果を確認し、答案と照らし合わせながら検討していきます。
私が気づかなかった点が見つかることもありますし、逆にAIが修正しなかった表現については、「本当にこのままでいいの?」と確認します。すると、こちらが懸念していた点について、より詳しい解説が得られることもあります。
また、単語の正確な理解にもつながります。例えばAIの回答で「environment」となっているところを生徒が「circumstance」と書いた場合、その違いを例文付きでAIに説明させることで、単なる正誤を超えた理解に導くことができます。
AIが指摘している点が必ずしも正しくないと思われる場合も散見されますが、そこを指摘すると、「確かにそうですね。」と訂正してくる場合もあります。
AIは“もう一人の講師”である
このように授業を行っていると、AIは単なるツールではなく、「もう一人の講師」として機能していると感じます。
人間の講師が気づく点と、AIが気づく点は必ずしも一致しません。両者を組み合わせることで、より多角的に答案を分析することができます。
それでも個別指導が必要な理由
結局、AIは強力なツールですが、「使いこなす力」までは自動的に与えてくれません。
実際には、
どの観点で振り返るかを示す
AIの回答をどう解釈するかを補助する
必要に応じて再質問を行う
といった“使い方のナビゲーション”が不可欠です。
ここにこそ、個別指導の価値があります。
AIの進化によって、指導のあり方は確実に変わっていきます。しかしそれは、個別指導の不要化ではなく、「個別指導の役割の変化」を意味しているのだと思います。
これからの個別指導は、
知識を教える場だけではなく
思考を促す場であり
AIを使いこなす力を育てる場
へと進化していくでしょう。
AIと人間の講師がそれぞれの強みを活かすことで、これまで以上に質の高い学びを提供できるはずだと考えています。



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