授業の原動力の一つになっている出来事が、今から45年ほど前にありました。
3歳上の姉の夫が30歳の若さで末期がんと診断されたのです。
当時は今のようながんの治療法が確立されておらず、その中で一つの希望の星となっていたのが丸山ワクチンです。
藁をもすがる思いで丸山ワクチンの説明会に行き(説明会に行った人だけが処方されることになっていたと記憶しています)、その最後で言われた言葉が心に残っています。
「今から何十年後かわかりませんが、あなたはがんですよ。でも大丈夫です。丸山ワクチンがありますから。といえるような世の中にしたい」
当時は、がんだと本人に告げることは基本的にタブーでしたから、丸山先生の熱い思いがこの言葉から伝わってきて、涙が止まらなかったことを覚えています。
結局丸山ワクチンの投与も空しく、翌年義理の兄は亡くなりました。
あれから50年近く経って、今ではがん宣告が当たり前の時代になるほど治療が進んでいて、隔世の感があります。
入会を希望される方との面談で、「こんな成績ですが何とかなるんでしょうか」と保護者の方に聞かれるときはいつも丸山先生の言葉が胸に浮かび、藁をもすがる思いで見えた方の期待に応えるべく、全力で授業に取り組んでいます。
最近ではAIも進化しており、そういったものを取り入れた方がよいのかを模索しながら、もっと自信をもって「大丈夫です。私たちに任せてください。」と言えるような塾を目指しています。
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