中学受験が一段落しました。
個人的には2人だけ小6受験生を担当していましたが、幸い二人とも希望する学校に合格しました。2人合わせると、渋谷幕張中、東邦大東邦中、市川中、昭和秀英中、県立千葉中と千葉の難関校をすべて制覇したことになります。
一人は他塾のフォローがメインで、もう一人は受験直前期以外は主に当塾で4科目指導していました。
中学受験は生徒の勉強に対する意識次第であることが多いですね。具体的には自分で考えようとする姿勢があるか否か、ということになります。解法を覚えようとしているうちは限界があります。こちらが説明をしている際に、どこに目をつけるか、など頭の使い方を学ぼうとする生徒は間違いなく伸びていきます。それに対して、単に解き方を覚えようとしている生徒は応用になるとつまずいてしまう傾向が大変に強いです。
特に算数に顕著に見られますが、国語でも、記述問題は問題作成者の意図を読み取って解答する必要があるため、当然コツが存在します。塾では生徒の書いた記述を見て頭の使い方を修正していくわけですから、記述問題を白紙で提出するようでは伸びる余地はほとんどないといってよいでしょう。
このように生徒が自分で考えようとする意識があれば、日ごろは思考回路を養成して、直前期には過去問題を徹底的にやり込むことで十分です。
算数は近年難化が進んでおり、10年前の難問が今では標準になっている問題も数多く存在します。渋谷幕張中は、過去問題対策が大変に功を奏するタイプの学校です。知らないと解けない問題が出題されますので、10年分ぐらいは徹底的に行っておく必要があります。そして同じタイプの問題が出たら必ず解けるまで理解しておくこと、が重要になります。
ところで、中学受験熱はますます加熱していますが、考えることがまだできていないのに受験のレールに乗せられてしまう生徒さんが見受けられるようです。これでは暗記がメインになって受験勉強が苦行でしかありません。
子供の思考力は一人一人伸びる時期が違います。中学になってやっと考える力がついてくる生徒もいますし小4ぐらいで出来上がっている生徒もいます。私立に行った方が先取り授業をしてくれて大学受験に有利だという神話がありますが、私はそれが常に正しいとは考えていません。先取り授業は良い面もありますが、英語や数学が暗記勉強に陥るという弊害も含んでいます。また、公立中にも優秀な生徒がたくさんいますので、周囲の環境が違うということは必ずしも正しくありません。むしろ私立に行って高校受験がないことによる中だるみ現象が見られることもありますので、それであれば思考力がついてくる時期に受験を経験させた方が良いという結論になるでしょう。
幸い私が担当した生徒さんは二人とも論理的な考え方をする素地がありましたので、あとはそれを伸ばすだけで済みました。保護者の方にもとても喜んでいただき、少しでもお手伝いできたという満足感に浸っています。
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