
共通テストを始めとして英検の内容も変更になり、使える英語を目指す動きが加速しています。
共通テストはそれまでのセンター試験と異なり、筆記試験では文法は出題されず、読解問題中心です。発音問題もリスニングに置き換わって筆記試験での出題はなくなりました。
英検も準2級プラスという級が追加されるだけでなく、内容も英作問題の増加、要約問題の新設(準2級プラス以上)など、より実践的な英語力の向上を目指した内容に変化しています。
大学も、英検やTEAP等のスコアで英語の試験の代わりにするところも増えてきており、それらの試験の重要性がますます高まっています。
では、こういった傾向に合わせた勉強方法は、どのようなものが理想的なのでしょうか。
筆記試験の問題傾向が、長文を速く正確に読むこと及びライティング能力である以上、二つの点が不可欠です。
①単語力
②構文把握力
まず単語力ですが、単語は文の中で覚えること、を基本として下さい。もちろんフレーズでもかまいませんが、単語単体で覚えようとするとすぐに忘れてしまいます。そして、必ず口に出して覚えてください。I have a pen in my hand.と言ったときに、I、 have、 a penなどのそれぞれの単語の意味を考えてから訳す人はいません。いきなり、手にペンを持っている様子が思い浮かぶと思います。それは、一つの意味のまとまりとして頭に入っているからです。I have a gadget in my hand.の場合も手に何か持っていることはわかりますね。あとはgadgetという単語を覚えて、使えるようにしていくという作業になります。
I sharpened my pen.もsharpenが分からなければ調べて、自分が鉛筆を削っているイメージを作ってください。単にsharpen=尖らせると覚えてもイメージを作りにくいと思いますので、文で覚えることが不可欠です。
次に構文把握力ですが、易しい英文を和訳する作業から始めてください。文法と解釈をリンクさせることが目的です。不定詞の用法や分詞構文の書き換えは知っていても、いざ長文の中で現れるとどうやって訳してよいのかわからない生徒がたくさんいます。特にandなどの接続詞が文中に出てくると混乱する生徒が続出します。主語、動詞はどれか、どこがどこに係っているのかなどをきちんと図示している参考書を使って正確な文構造をつかむ練習をしていけば、どんな文でも読めるようになります。要は文法の知識を実際の英文解釈に落とし込むことが大切なのです。
最近「英語のハノン」というテキストが話題になっています。ハノンはピアノのレッスンの用語ですが、ピアノの初心者に教えるように簡単な文から始めて、単語やフレーズを入れ替えて自分で文を作成していくスタイルの参考書です。先ほどのpenをgadgetに変えた例のように、主語や目的語を変えたり接続詞を変えたりしながら次々に文を作らせて、自然に文が頭に入るように作られています。基本的には自習用なので授業には使っていませんが、リスニングにも使えそうなので注目しています。
私は、ざっとでも文法の基礎を習った生徒には、<英検>文で覚える英単語(文単)を用いて英文解釈を課しています。ただ、構文の説明が一切ないので、残念ながら自習用には向いていません。しかし、これをきちんと訳してきて、授業をしっかり聞いている生徒は、驚くほど短期間に文が読めるようになります。小学生レベルから大学受験生レベルまで、それに応じた難易度の文を使えますので大変重宝しています。
これから英語力を伸ばしていこうという生徒さんは、学校でまだ偏重されている傾向のある文法教育に惑わされずに、上に述べたことを踏まえて読解力やライティング能力をつけていくようにしてください。
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